フランスのドービルで開かれるG8サミットの最大の焦点は、原子力問題だ。菅首相はパリで開かれた会合で「2030年までに原子力の比率を50%以上にする政府のエネルギー基本計画を見直し、総電力に占める再生可能エネルギーの比率を2020年代に少なくとも20%にする」という方針を表明した。福島第一原発の事故を受けてエネルギー政策を見直すのは当然だが、そのコストは安くない。再生可能エネルギー(太陽光や風力)を何%にしようと、原発の代わりにはならないからだ。 発電所の設備は、年間で最大の電力消費に合わせてつくられるので、その供給量は真夏にクーラーをつけている昼間に停電しないようになっている。太陽光や風力の電力を当てにして原発を減らしたら、雨や無風の日には停電してしまうので、再生可能エネルギーは電力会社の設備投資計画には入っていない「おまけ」である。 おまけをいくら増やしても、原発は減らせないし、今1%に
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