エネルギアが完成した後、ソ連には困ったことがあった。 「飛ばすものが無い」 実はエネルギア、最近ロシアが公開した文書を見る限り東側に披露した時点ですでに「完成」していたのだった。(つまりスペースシャトルより2年早くロケット自体は完成していてお披露目と試験稼動していた) だが、当時のソ連にはエネルギアでもって飛ばす必要性のあるものがない。 この時点でのソ連の認識では、コストパフォーマンスが非常に悪く、1970年代に夢みたサターンV並みの存在を共産主義の名の下に実現化させただけで、その先を考えていなかった。 余談だが、今でも飛ばす必要性が無いというとでエネルギアとエネルギアMと呼ばれるエネルギアの軽量版がバイコヌール宇宙基地で保管され、一般人も見学できる。 当初東側に公開された「エネルギア」とはこのエネルギアMとエネルギアであるが、飛ばなかったエネルギアは朽ちて飛行不能になった状態で見ることが