習近平は六月六日、カリフォルニア州のオンタリオ空港に到着した。米中首脳会談に臨むためだ。世界各国の報道を比較すると、日本のメディアだけが浮足立っていた。より正確に言えば、産経を除く日本メディアと中国共産党の機関紙、人民日報と環球時報だけが「世紀の会談に臨む両首脳」というイメージを演出していた。 特に朝日新聞とNHKが、まるで二人の首脳が重要な会談を行い、明るい見取り図を世界に示すのではないかと錯覚するような論調で報道していた。いったい、何を米中首脳会談に期待していたのであろうか? ところが不思議なことに、米中首脳会談後一週間が経過して、世界中のメディアから分析や論評が出揃っても、〈重要〉だったはずの米中首脳会談の具体的な成果や論評が、それらのメディアから一向に発信されない。いったい、何を期待してあれだけ大騒ぎをしていたのか? それは朝日の論調をベースにする地上波の民放各局も同じだった。