インターネットやデータセンターの世界をリードしてきた江﨑浩教授は、IoTによって“インターネットの遺伝子”がリアル空間に広がり、「デジタルとリアルの逆転経済」が起こると予見している。工場から貨幣、クルマ、住居まで、あらゆる領域に大変革を起こすデジタルの本質的な力が今、“覚醒”しつつあるという。 ――デジタルトランスフォーメーションの重要性が盛んに叫ばれ、企業は今、デジタル化に必死に取り組もうとしていますが、その先には「デジタルとリアルの逆転経済」が到来すると、江﨑先生はおっしゃっています。サイバー空間が主役で、実空間が脇役のシステムになる「サイバーファースト、フィジカルセカンド」の世界です。 江﨑 現在よくあるIoTは、実空間のコピー(デジタル化)を行い、そのうえで実空間をコントロールしようという枠組みを、基本的には超えてはいません。依然として、実空間のほうから考えているわけです。 しかし