つい先日、21 Lessonsというサピエンス全史を書いたユヴァル・ノア・ハラリの新刊を読み終わったのだが、そこに大変興味深い記述が書かれていた。 人間を団結させるという点においては、偽りの物語の方が真実よりも本質的に強力だというのである。 「嘘はよくない事だ」 おそらく僕だけではないと思うのだが、このような考え方を幼少期の頃に植え込まれた人は多いだろう。 私達の社会は本質的には嘘つきを表立っては良しとしない風潮がなんとなくある。 しかしである。世の人を強固に団結させているのは実はフェイクニュースなのである。 例えば一万円をファクトフルネスの目で見れば単なる印刷された紙だが、ほぼ全ての人間が一万円をマネーであるというファンタジーを信じている。 イソップ童話に裸の王様という話があるが、宇宙人がやってきて一万円を「これはただの紙じゃないか!」と指摘したとしても、私達は誰ひとりとして一万円の価値