商品/サービス自体が持つ「クチコミ能力」を見極める 私が関わった例では、博報堂とティー・ワイ・オー(TYO)が共同事業として1998年に始めた『ペタろう』の例を挙げておこう。この『ペタろう』というサービスは、無料で使える「ネットワーク対応型の付箋紙」でもあり、「表情付きのキャラクター型付箋紙」でもある。これを使うと、同一ネットワークにいれば他のフロアの人ともメッセージをやりとりできるという、オフィスで働く女性たちに非常に人気で数十万のアクティブユーザーを抱えていた。 しかしこの『ペタろう』を普及させるにあたり、大量の広告出稿をしたわけではなかった。当時はこのサービスというものの競合にあたるのは「IPメッセンジャー」と呼ばれるものぐらいで、しかも「かわいい」ものではなかったので、キャラクター要素をもつ『ペタろう』は女性たちに受け入れられやすかったというのもある。しかし、実際には使っていたのは