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2008年4月8日のブックマーク (1件)

  • 読者の誕生 - 「書物」の誕生・覚え書き日誌

    22篇のエッセイと小論からなるこのは、一貫した論考が書かれた研究書ではない。しかし通読すると、ヨーロッパの書物史の流れが、概観できる。 この流れの中で重要なのは、3つのポイントである。 最初に、「音読」から「黙読」への転換・「読者」の出現、 次に、テキストの自己同一性の確保・「作者」の出現、 最後に、著作権と原稿料の規則の確立・「作者」の完成、 まず、「読者」が成立した。 古代から中世にかけて、「書かれたもの」は、信頼されていなかったことが宮下によって論証される。プラトンの「パイドロス」に述べられている「書かれたもの」への不信を、宮下は、 要するに「文字」は「言葉(パロール)」の影にすぎない(15p) と、要約する。 古代から中世前期にかけて、「声」は「書かれたもの」に対し、優位を保っていた。従って「宣誓」には、「声」が必要だし、その「宣誓」を保証するのは、「記憶」・「象徴物(たとえば剣

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