臨床心理士であり、心理技官として経験を重ねた浜井さんは語る。 「刑務所や少年院などの矯正施設での更生とは、心を入れ替えることと思ってる人が多い。私は社会全体が、人間は弱い存在であり、心だけで更生できるわけではないということをもっと理解すべきだと思う。再犯防止に必要なのは、社会に戻った時に生活できる彼らの『居場所』。それを無視して、少年院でインスタントに心を入れ替え立ち直った、それで再犯したら少年院は何をやってたかという発想は間違っています」 生活が安定し、居場所があって、初めて本人が自分の問題と向き合えるのだという。 現在、方策の一つとして、少しでも働ける可能性のある人に対して作られつつあるのが就労支援。雇用する会社に対して国が一定の補助金を出すという仕組みだ。ただ、居場所づくりというのは、今の日本では難題である。 「現在、国立の更生保護施設建設を京都と福岡などで計画中ですが、住民の反対運