東日本大震災の影響で日程が大幅に変更された今季のサッカーJリーグは、J2からJ1に復帰した柏が、史上初となる昇格1年目での優勝を成し遂げて、今季の幕を閉じた。一方、柏以外の昇格2チームはわずか1シーズンでJ2に逆戻り。特に甲府は昨季、柏と同じ71得点をマークした攻撃力がなりを潜め、いいところなく16位でシーズンを終えた。優勝した柏と、降格した甲府の1年とを振り返ると、チーム強化の上での「継続性」の重要度を改めて感じさせられた。(奥村信哉) ■指揮官のぶれない姿勢 優勝を決めた3日の最終節。埼玉スタジアムの会見場に現れた柏のネルシーニョ監督は、「2年間ついてきてくれた選手に感謝したい」と労をねぎらった。言葉からにじみ出るのは「われわれは2年がかりで強くなった」との自負。J2で戦った2010年は、それだけ収穫が大きかった。 沢は「チームがどんどん成長していって、層の厚さを確立した年」と振り返る