手塚治虫のことを調べるのは、もちろん彼が多くの傑作を描き、日本マンガの方向性を定めたからです。ただそれにくわえて、人格者にしてウソつき、ヒューマニストにして嫉妬深いことこのうえなし、という複雑な人間性も、興味が尽きないところであるのですよ。 竹内オサム『手塚治虫 アーチストになるな』(2008年ミネルヴァ書房、2400円+税、amazon、bk1)読みました。 新しく書かれた手塚治虫の評伝で、手塚の生活史中心に書かれています。 手塚治虫の伝記を書くとき、何が問題かといって、手塚自身が大量の文章を残していることであります。これがもうなんというか、韜晦というかウソというかホラというかハッタリというか、これらが多くて全然あてにならない。 いやもちろん自身の手になる文章ですから、真実もいっぱい書いてあるはずなのですが、手塚先生、話をおもしろくするために、自身を大きく見せたり、逆に卑小に見せたり偽悪
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