健康保険証とマイナンバーカードを一体化した「マイナ保険証」。別人の情報が表示されたり、不具合で全額払いを余儀なくされるトラブルが報告されているが、そもそもマイナ保険証を使ったオンライン資格確認にも疑問が。事実上、NTTの光ファイバー通信の独占状態な一方、導入が難航するケースも少なくなく、医療機関側の不満も強いからだ。拙速なマイナ保険証化への反対世論も強まる中、政府がかたくなに推進する背景に、利権のにおいはないのか。(山田祐一郎、岸本拓也)
河野太郎デジタル相が22日、記者会見で、マイナ保険証が使えない医療機関についての国への報告を求めるかのような発言をし、医療団体の反発を招いている。医療機関側が「紙の保険証」の提示を求める背景には、マイナンバーカードと一体化したマイナ保険証を巡るトラブルが続く現状があるからだ。
作業員の身体汚染が発生した現場。上から延びるオレンジ色のホースが外れた=東京電力福島第1原発で(東京電力提供) 東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理する多核種除去設備(ALPS)の配管洗浄中に廃液が飛び散った事故で、東電と下請けの東芝エネルギーシステムズ(川崎市)は16日、原因の分析結果を発表した。入院した作業員2人は、過去の作業経験から廃液は飛散しないと考え、ルールで定められたかっぱを着用せず、被ばくにつながったと指摘した。 両社によると、事故は10月25日に発生。配管の洗浄時間が長引き、高濃度の放射性物質を含む廃液の発生量を抑えようと、当初予定していなかった配管の弁を閉めて洗浄液の流れを抑えた。その結果、配管内の圧力が高まり、廃液をタンクに入れるホースが外れて飛散。タンク近くにいた2人にかかった。監視役の作業員もかっぱ着用を指示せず、予定外の作業員の配置換えや
群馬県桐生市が生活保護利用者の50代男性に対し、原則として1日1000円しか支給しなかった問題を巡り、別の50代男性も今年6~10月に週払いで分割支給を受け、1カ月当たりの総額は支給決定額の半分程度にとどまっていたことが分かった。2人を支援する仲道宗弘司法書士は「最低限度の生活を侵害する運用が、日常的だった可能性がある」と指摘した。 仲道氏によると、新たに判明した男性は病気で就労困難となり、5月26日に月額約7万1000円の支給が決まった。しかし、桐生市は金銭管理のため家計簿を付けるよう指導した上で、支給は週に1回1万円程度。6月は約3万1000円、8月は4万1000円など決定額の半分程度にとどまった。
自民党派閥の政治団体による政治資金パーティーを巡る問題で、安倍派(清和政策研究会)がパーティー券の販売ノルマを超えて所属議員が集めた分について、議員側に還流させるキックバックを続けてきたとみられることが1日、関係者への取材で分かった。政治資金収支報告書に記載されず、最近の約5年で1億円規模が裏金になった可能性がある。東京地検特捜部は政治資金規正法違反(不記載・虚偽記入)の疑いで安倍派を重点的に調べている。 関係者によると、自民党の各派閥は1枚2万円が相場のパーティー券の販売ノルマを所属議員に課しており、当選回数や閣僚経験が増えればノルマの枚数が多くなる。 ノルマを超えた売り上げが派閥からキックバックされ、議員側の収入になる運用があるとされる。派閥の支出と議員側の収入を収支報告書に記していれば問題はない。だが安倍派では適切な記載がされず、多額が裏金になっていたとみられる。こうした運用が長年続
福島県双葉町のJR常磐線双葉駅近くの商店街に掲げられていた原発推進のPR看板が、福島第一原発事故後に撤去され、県の施設に保管されたままの状態が続いている。事故から九年が過ぎ、看板の標語を考案した大沼勇治さん(44)は、看板を震災遺構の一つとして展示してほしいと願っている。 「原子力明るい未来のエネルギー」。商店街の道路をまたぐ形で設置されていた看板は事故の後、海外メディアにも紹介された。近くに住んでいた大沼さんが小学六年生の時、先生が宿題を出した。
国土交通省海事局が、2018年10月末までの4年余り、所管の外郭団体を経由し、法律で人事交流が認められていない日本財団(東京)に職員を出向させていたことが分かった。
沖縄防衛局によると、22年度、辺野古の新基地建設に支出した額は815億円。着工から21年度までにかかった工費と合わせると、総額で4312億円に達した。 一方で、22年度末時点の工事の進捗を見ると、事業全体の埋め立て土量2020万立方メートルのうち、4年余りで埋め立てた量は14%。しかも、これまで埋め立ててきた場所は、工事がしやすい水深の浅い海域だ。 防衛省は4年前、軟弱地盤対策のため総工費を9300億円に引き上げた。 辺野古の軟弱地盤 辺野古沿岸部東側の埋め立て予定地の海底に、「マヨネーズ並み」と評されるほどの軟らかい粘土層が広がっている。最深で水面下90メートルにまで及ぶ。防衛省は2015年に軟弱地盤の存在を把握していたが、その事実を伏せてきた。政府が存在を認めたのは、土砂投入を始めた翌月の19年1月。防衛省は「地盤改良すれば建設可能」として、大幅な設計変更を行った。深さ90メートルにま
万博のためならルールも破る? 時間外労働の上限があるとパビリオン間に合わず 再来年開催なのに、現地は今 2025年の大阪・関西万博で、パビリオンの建設を時間外労働の上限規制の対象外にできないかという動きが出ている。施設整備が遅れている上、24年から上限規制が建設業界にも適用され、人手確保がより難しくなるとの見立てがあるようだ。しかし、上限規制は働き方改革のための重要なルール。国家的なイベントなら、例外にしても許されるというのか。(宮畑譲、山田祐一郎)
マイナ保険証の本人確認を医療機関のカードリーダーによる「顔認証」でする際、別人が本人と認証されたケースが、千葉県のクリニックなど計3件あったことが、全国保険医団体連合会(保団連)の調査で分かった。京都府では、娘のカードを使った親が顔認証できたという。 東京、千葉、京都の各保険医協会から報告があった。21日に都内で会見した保団連幹部によると、千葉県のクリニックでは、カードリーダーの顔認証ができない状態が続き、休診日にスタッフの1人がマイナ保険証をセットし、別のスタッフが顔をカメラに向けると認証されたという。 この不具合はオンラインによる保険資格の確認が義務化された4月以降に起きており、クリニックでは受付に「顔認証はできません」と張り紙を掲示。マイナ保険証持参の場合は暗証番号の入力を促し、番号が分からなければ従来の保険証で確認しているという。
政府は今月9日に閣議決定したデジタル施策の「重点計画」で、母子健康手帳(母子手帳)とマイナンバーカードの一体化を目指す方針を示した。一体化に対し、子育て中の親や医療関係者らから不安の声が上がっている。相次ぐマイナカードのトラブルで情報流出への懸念が高まっている上、親と子双方の情報を一覧できる紙の手帳の良さが損なわれる可能性があるためだ。(嶋村光希子)
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