『ロード・オブ・ザ・リング』『キング・コング』と超大作を連発してきたボクらのピージャクことピーター・ジャクソンの最新作。自分の中では、いくら大作を連発しようがピージャクは未来永劫『ブレインデッド』で『バッド・テイスト』な監督なのだが、それはそれとして、アリス・シーボルト著『ラブリー・ボーン』の映画化である。本作を観るまでは「これまたえらい可愛らしい作品を映画化したものだなあ」と無邪気にピージャクの頭の心配をしていたものだが、観終えた後、スプラッタやスペクタクルな方面以外の演出でも見事にピージャク印が押された本作の出来に、ううむと唸ってしまった。決して手放しでベタ褒めできる内容では無いのだが、監督の作品性、という部分で妥協を許さず、「殺されてしまった主人公はこの世と天国の隙間に居る」と、原作と微妙に異なる設定で贈られる本作は間違いなく賛否両論が飛び交うであろうもの。原作ファンがどれだけピージ