【PDFファイル】 ここでは、聴覚障害児教育の中で近年その教育的使用が活発になっている手話について取り上げ,解説していきます。 聴覚障害教育における手話活用の歴史 聞こえない,聞こえにくい子ども達は遙か昔にもいたでしょうし,その子ども達に対する教育的な営みも早い時期からあったことと思います。しかし古い時代について十分な資料があるわけではないので,私たちは限られた書物などで,その姿を推し量ることになります。ファン・パブロ・ボネート(Juan Pablo Bonet)の「アルファベットの簡略化とろうあ児のスピーチ指導」(1620)は黎明期の聴覚障害教育を記述した貴重な本で,指文字を活用した指導法が書かれています。16世紀から17世紀にかけてこのボネートをはじめペドロ・ポンセ・デ・レオン(Pedro Ponce de Leon)やエマヌエル・ラミレス・デ・カリオン(Emmanuel Pam