(前回から読む) メルケル政権は、「2022年末までに原子力発電所を全廃する」と決断するにあたって、次の2つの委員会に意見を求めた。 ・原子炉安全委員会(RSK) ・安全なエネルギー供給に関する倫理委員会 前回の当コラムでは、RSKが 鑑定書の中に「ドイツの原発には安全性に問題があるので、直ちに止めるべきだ」とは一行も書かなかったことをお伝えした。むしろRSKは「ドイツの原発は、航空機の墜落を除けば、比較的高い耐久性を持っている」と主張し、「福島の事故で得られた知見に照らすと、ドイツの原発では停電と洪水について、福島第一原発よりも高い安全措置が講じられている」と評価したのである。 日本の読者の皆さんの中には、「原子力のプロである技術者が原発の停止を勧告していないのに、なぜドイツ政府は脱原発に踏み切ったのだろう」と不思議に思われる方が多いかもしれない。 ドイツでも、RSKが、原発の危険性を指
ドイツは、福島第一原子力発電所の炉心溶融事故からわずか4カ月で、2022年末までに原子力発電所を完全に廃止することを盛り込んだ法案を連邦議会と参議院で通過させた。主要工業国の中で、日本の原発事故をきっかけに原発廃止の締切日を確定したのは、ドイツだけである。この国は、どのようなリスク判断に基づいて原子炉全廃に踏み切ったのか。 メルケル首相の「敗北宣言」 その背景を理解する上でカギとなるのが、アンゲラ・メルケル首相が2011年6月9日に連邦議会で行った演説である。メルケル首相は元々物理学者であり、原子力擁護派だった。 例えばドイツの原子力関連産業の団体「ドイツ原子力フォーラム」が2009年に創立50周年を祝う式典を開いた際、メルケル首相は主賓として出席。祝辞の中で「ドイツの未来を保証するためには、原子力エネルギーは必要だ」と述べ、原子力発電を重視する姿勢をはっきり打ち出していた。実際、2010
1). 「疎開」。先の大戦終結を学童疎開先で迎えた体験をしたお年寄りのなかには、よもや終戦66 年目にして「放射能疎開」などという事態に陥るとは夢にも思っていなかったと思う。 先日、NHK 総合の朝のニュースを見ていたら、世界的指揮者の佐渡裕さんが釜石市を訪問して、なんと子どもだけの弦楽オケによるチャリティーコンサートを避難所などで開いたことを報じてまして、つい見入ってしまった。なんでもきっかけは被災した女性からの手紙だったとかで、佐渡さん以外にも現地入りして「音楽の贈りもの」を届けに行った演奏家は多数、おられるとは思うけれども、佐渡さんの行為はほんとうにすばらしく、見ているこちらも感動した。いまもっとも音楽が必要とされているところへ音楽を届けることこそ、音楽で飯を食べている人の務めでもあるといつも考えているので。音楽はなにも高い金払って演奏会場だけで聴かせるべきものじゃないし、以前書いた
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