年720時間を超えて社員に残業させたら、使用者は罰金や懲役を課されることも——。 働き方改革関連法の施行に伴い、大企業は2019年4月、中小企業は2020年4月からそうした規制の対象となる。心身の健康をむしばむ長すぎる残業がなくなるのは良いことだが、「残業代が削られたら収入が減るので困る」と心配する人もいるだろう。 実際のところはどうなのか? 「残業代の分、手取りが月4、5万円減ったので大変です」 東京都内の人材会社で営業を担当する20代後半の男性は、大学新卒で入社してから2018年春まで、社内でも「激務」と言われたある部署にいた。 当時は毎月の残業時間がだいたい80~100時間。始業は午前9時で、毎晩10~11時ごろまでの残業は当たり前。終電を逃して会社に泊まることも珍しくなかった。土、日もどちらかは昼過ぎから午後9時ごろまで仕事でつぶれた。 たまの休みは一人暮らしの部屋で午後から起き出