北極圏の海に生息する希少動物のベルーガ(シロイルカ)が、北海道の湖にすみついている。群れからはぐれた子どものメスで、一人の漁師になついて遊びに来る。野生のベルーガが人になつくのは非常に珍しいという。見物人に追い回されたり、けがをしたりしないようにと、地元の人たちも動き始めた。 北海道網走市の能取(のとろ)湖。オホーツク海とつながる海水の湖で、ホタテ稚貝を養殖している石垣洋一さん(55)が船を出すと、水中を白い姿がまっしぐらに迫ってくる。船の下をくぐって反対側に頭を出し、プシュッと水しぶきを飛ばした。「仕事していると、いつも寄って来て遊ぶんだ」 お気に入りはホタテのかごをたぐるかぎ状の道具。くわえようとしてじゃれる。開けた口の中に、はえ始めた歯がのぞく。体長は3メートル足らずでまだ小さい。 ベルーガは北緯50度以北の北… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。