「氷山にぶっつかって船が沈みましてね」 宮沢賢治といえば教科書にも登場する国民的作家ながら、その作品はいささか難解である。作中には賢治自ら編み出した造語が頻出し、作品のテーマも宗教の教えを背景とした重厚なものが多い。 中でも、遺作の『銀河鉄道の夜』は多くの謎に満ちている。その謎を解く鍵がタイタニック号にあることをご存知だろうか。 豪華客船タイタニック号が、処女航海の途中に氷山に衝突し、1500人を超える死者を出す大惨事を引き起こしたのは1912年4月のこと。救命ボートが足りなかったため、女性と子どもを優先してボートに乗せ、多くの成人男性と乗員は船とともに沈んでいった。 賢治は当時、15歳。この事故に特別な関心を払っていた形跡は見当たらない。ところがそれから13年後、詩の中にその名前は突如として登場する。 「まるでわれわれ職員が タイタニックの甲板で Nearer my God か何かうたふ
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