2009年12月23日のブックマーク (1件)

  • 芥川龍之介 『玄鶴山房』 - 蟹亭奇譚

    『玄鶴山房』 は昭和2年に発表された短編小説。 一代にして財を築いた堀越玄鶴老人とその、一人娘と婿夫婦、幼い孫の武夫、住み込みの女中と看護婦。肺結核のため玄鶴が離れに一人寝ているその家へ、元女中で玄鶴の妾であるお芳が幼子を連れてやってくる。 お芳が泊りこむようになってから、一家の空気は目に見えて険悪になるばかりだった。…… 芥川龍之介 『玄鶴山房』 四 これだけでも十分陰な話なのに、さらに拍車をかけるのが看護婦甲野である。彼女の悪意は、家族の間に嫉妬と憎悪を呼び起こす。まったくひどい話である。わずか20数ページの作品なのに、これでもかというくらい暗澹としたエピソードが続いている。しかし、再読すると、登場人物の構成と配置が実に見事で、完成された小説だということがわかる。 ところで、最後の章の玄鶴の葬儀の場面に、娘婿重吉の従弟の大学生が登場する。台詞も少なく、ほとんどストーリーに影響しない

    芥川龍之介 『玄鶴山房』 - 蟹亭奇譚
    izai
    izai 2009/12/23
    興味深い考察。漱石の長編に最後に手紙「行人」における「Kの手紙」、「こころ」における「先生の手紙」や「門」における主人公の出家と比べられる。漱石の場合は柄谷行人が小説の形式上ではない一種の破綻をみてい