2008年3月16日のブックマーク (5件)

  • 個人で世界を背負おうとする絶望〜奈須きのこの世界観② - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    彼が、「自ら立てた誓いを遵守する」ということに限りない憧憬を覚えているというのがわかってきた。ほぼすべての作品の主人公や、壊れていくキャラクター(それは悪役ではあるが切ないもう一人の主人公)の基の動機構造が、「自ら立てた誓いを守る」という構造で成り立っていることがわかる。 □個人の内面を深掘りするが故に、他者に動機が感染していかない こう前回に僕は書いた。これはすなわち、奈須きのこが、「動機(=自らの中で誓いを立てて守りとおす)」を描く作家であるということを指示しており、彼の文体が美しく昇華するのは、やはり個人を描く時なんだろうと思う。ちなみに、これって、他者の心はわからないという前提がすごくある世界観なので、心象風景的には、ものすごく寂しい人物類型ですよね。 ちなみに過去の作品を追うと、この個人の動機がどこから来ているのか?という部分は秀逸なシーンで表現されていることが多い。『月姫』で

    個人で世界を背負おうとする絶望〜奈須きのこの世界観② - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    izumino
    izumino 2008/03/16
  • 最新の漫画論――同人誌『漫画をめくる冒険(上巻)』の告知ページができました - ピアノ・ファイア

    ここのところ、思わせぶりな作業報告ばかりしていた同人誌ですが、当サイトでは初の告知となります。 (↓同人誌情報ページ) 漫画をめくる冒険―読み方から見え方まで― 上巻・視点【ピアノ・ファイア・パブリッシング】 しかし自分で自分のを宣伝したり解説したりするのは、どうも気恥ずかしくてしょうがないので、ちょうど宮大人さんが最速感想をブログにアップしてくれていますし、そちらを読んでいただいた方が早いでしょう。 『漫画をめくる冒険』(たぶん)最速紹介 - 宮大人のミヤモメモ(続) 「ピアノ・ファイア」のいずみの=イズミノウユキ=泉信行さんの個人誌『漫画をめくる冒険−読み方から見え方まで−』の「上巻・視点」を御恵投いただきました。 (中略) これは、すごいです。マジで。伊藤剛さんの『テヅカ・イズ・デッド』の「次」を切り開いて見せてくれる画期的な仕事だと言って過言ではないと思います。 このような高

    最新の漫画論――同人誌『漫画をめくる冒険(上巻)』の告知ページができました - ピアノ・ファイア
    izumino
    izumino 2008/03/16
  • 漫画をめくる冒険―読み方から見え方まで― 上巻・視点【ピアノ・ファイア・パブリッシング】

    漫画をめくる冒険―読み方から見え方まで― 上巻・視点 (1) (編) ピアノ・ファイア・パブリッシング (著) 泉 信行/イズミ ノウユキ ■の説明 内容紹介 【オビ紹介文より】 「漫画論は、面白い」 明快な基礎理論から始まり、作品論や作家論をこえて、 メディアやコミュニケーションの問題へと視点は広がっていく。 上巻で登場を願う主な作家は、浦沢直樹・小林尽・津田雅美・曽田正人。 広大な「目で見える世界」をめぐる旅がスタートする。 【第二版特典】 第二版以降のオビ推薦文として、 精神科医・斎藤環先生 ゲーム作家/小説家・元長柾木先生 漫画家・緒方てい先生 ……ら三名の先生方によるコメント付き。巻末には海燕氏による4Pの「解説」が付属(→「解説」を途中まで読む)。 【目次】 序 ページをめくる時々の体験――「」という形状にひそむ力 〈〉の形をした漫画 漫画の読み/描き 第一章 イメージ

    izumino
    izumino 2008/03/16
  • 自ら立てた誓いを守ることへの憧憬〜奈須きのこの世界観① - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    奈須きのこさんのメジャーな作品は、僕はほぼ読破・プレイ済みだ。そこで、とりわけ個人で書いている『DDD』を読むと、彼が、「自ら立てた誓いを遵守する」ということに限りない憧憬を覚えているというのがわかってきた。ほぼすべての作品の主人公や、壊れていくキャラクター(それは悪役ではあるが切ないもう一人の主人公)の基の動機構造が、 自ら立てた誓いを守る という構造で成り立っていることがわかる。 その典型的なキャラクターであるのが、Fateの士郎とセイバーである。この伝奇ノベルゲームの主人公が、あれほど鮮やかな凛でも、究極の守るべきものとしての存在である桜やイリヤでないのは、この物語の核心を貫く原理が、「何もないところで、自らが自らの心の中に立てた誓い、その根拠のない誓いを、どんな過酷な現実に出会おうと根拠がなかろうと守り抜く」ことだからなのだと思う。 奈須きのこさんの世界観が、非常に重厚で独特なの

    自ら立てた誓いを守ることへの憧憬〜奈須きのこの世界観① - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    izumino
    izumino 2008/03/16
  • 『漫画をめくる冒険』(たぶん)最速紹介 - 宮本大人のミヤモメモ(続)

    「ピアノ・ファイア」のいずみの=イズミノウユキ=泉信行さんの個人誌『漫画をめくる冒険−読み方から見え方まで−』の「上巻・視点」を御恵投いただきました。 あ、画像でかい。サイズの設定間違えたかも。ま、いいや。 実は、ありがたいことに、ができる前にゲラをいただいていたので、ちょうどが届く数日前に読み終わっていたのです。 で、ですね。 これは、すごいです。マジで。伊藤剛さんの『テヅカ・イズ・デッド』の「次」を切り開いて見せてくれる画期的な仕事だと言って過言ではないと思います。 タイトルはもちろん、漫画を「めぐる」の誤植ではありません。漫画は「めくる」ものであること、つまり漫画が、書物という形状のメディアに載って展開される表現であることをきちんと踏まえた議論を、いずみのさんは『ユリイカ』掲載の「視線力学の基礎」以来展開されているわけですが、その集大成となりそうなのがこのです。全159頁。来る

    『漫画をめくる冒険』(たぶん)最速紹介 - 宮本大人のミヤモメモ(続)
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    izumino 2008/03/16