性と暴力のアメリカ―理念先行国家の矛盾と苦悶 スポンサード リンク ・性と暴力のアメリカ―理念先行国家の矛盾と苦悶 私が取材や旅行で訪問したアメリカというのは、観光客が見るアメリカでしかないのだろうなと、国際ニュースをみて思うことがある。中絶、児童虐待、同姓愛や同性結婚、銃規制など、性や暴力に関係する問題で、日本人の理解を超える激しい論争や暴動事件が起きる。それが本質的にどういうものなのか、実感がわかないのである。 中絶反対派が中絶手術を行う医師を殺してしまう、だとか、学校での銃乱射事件がある一方で、300万人の会員を誇る全米ライフル協会が政治に強大な影響力を持つこと、アメリカ男性の6人に1人、女性の4人に1人が子供時代に性的虐待を受けていることなど、事実は知っていても理解が難しい。 「 本書の第一の目的は、アメリカにおける性や暴力をめぐる問題の歴史的、法的、政治的、社会的、文化的側面を総