Windows Vistaは,紆余曲折の多い製品である。元々中継ぎとして登場した「Longhorn」(Windows Vistaの開発コード名)だが,米Microsoftによって一時的に「革新的な存在」に持ち上げられたものの,期待の新機能がことごとくキャンセルされたため,今では「見た目が変わる新OS」ぐらいにしか思われていないのが実情だ。今回の記者の眼では,「Windows Vista紆余曲折の歴史」を振り返るとともに,Windows Vistaの実像を見つめ直してみたい。 開発コード名からして「中継ぎ」 時はWindows XP発売前の2001年にまでさかのぼる。当時,Windows XPの後継バージョンは「Blackcomb」という開発コード名で呼ばれていた。しかし米Microsoftは2001年7月(Windows XP発売の4ヵ月前),Blackcombの開発を延期し,「中継ぎ」と