米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長兼チーフソフトウエアアーキテクトの引退表明は、業界に少なからぬ衝撃を与えた(関連記事)。唐突にも思えるこの発表の裏にはどんな事情が隠されているのか。ゲイツ氏と古くから親交のある、元アスキー社長で、現在ITNY代表取締役マネージング・ディレクターを務める西 和彦氏に聞いた。 ■ビル・ゲイツ氏引退の理由をどう見るか。 発表では慈善活動に専念したいとあったが、必ずしもそれだけではないのではないか。私は、彼はマイクロソフトのトップでいることに情熱を感じなくなったのではないかと想像している。 ゲイツ氏は、これまでことごとく勝利を収めてきた。OSではデジタル・リサーチを、表計算ソフトではロータスを、ワープロではワードパーフェクトと日本ではジャストシステムを、ブラウザーではネットスケープをしのいでここまで来た。 ところがこのところマイクロソフトは、勝ちから見放されている