『夜明け前』島崎藤村 舞台は木曾馬籠。旧家の後継ぎ息子・青山半蔵は、明治維新に新しい民の世の到来を夢見るが…。明治維新から近代日本へと向かう激動の時代の中で翻弄され、苦悩し挫折していった庶民の姿を壮大なスケールで描いた大作。 新潮文庫『夜明け前』全4巻、岩波文庫『夜明け前』全4巻 最初の一行に含まれているのはわずか数十字ですが、その数十字をもとにして、もじったり、駄洒落をつくったりして、新しい一行をつくってみてください。おそらくそれは、最初の一行とは、まったく関係のない一文になることでしょう。お互い関係のない2つの文章を無理やりつなげて作文にすると、あら不思議、なぜか話に奥行きが出てきます。うまい駄洒落を思いつけば、原稿用紙の4枚や5枚、あっという間に埋まります。 こういう個人的なことをここで書くのはどうかとも思うのだが、私には年の離れた姉がひとりいる(注1)。先日、その姉の誕生日に、父と