夏祭りの季節。地球の反対側のブラジルでは近年、日本の盆踊りから生まれた「祭りダンス」が人気だ。Jポップのリズムに乗せた軽快なステップに、盆踊りの振り付けが交じる。日系人グループが薄れゆく日本文化を残そうと考え、サンバの国に浸透している。 重厚な和太鼓と、少し懐かしい日本のヒット曲に合わせて老若男女が踊る。サッカー・ワールドカップ(W杯)開催中の7月、サンパウロで開かれたイベント「日本祭り」。小学6年のライスラ・エドワルドさん(11)は「W杯より祭りダンスの方が楽しい」と笑顔で汗をぬぐった。 ブラジル南部ロンドリーナ市の日系人でつくる「3世グループ」が考案し、2003年の「日本祭り」で踊ったのが始まりとされる。ブラジル各地の日系社会を回って披露すると好評で、広まった。 ロンドリーナには約2万人の日系人が住むが、当時は盆踊りの参加者が減り、日系社会の絆や日本の習慣が薄まることが心配されていた。