音楽史には、超絶技巧で名を馳せた伝説の演奏家たちがいる。 ヴァイオリンのパガニーニ、ピアノのリストはその双璧。「悪魔に魂を売った」と言われるほどの名技で聴き手を熱狂させたと伝えられる。 ただし、現代の若い演奏家たちの物凄いテクニックを聴くたびに、「演奏テクニックだけを比べたら、現代の若者たちの方が上なのでは?」と思うことが少なくない。 なにしろチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲やピアノ協奏曲を始めとする多くの有名コンチェルトは、作曲当時の巨匠たちから「難しすぎて弾けない」とお墨付きをもらったはずの難曲。しかし、現代の若者たちは(特に音楽専門でない高校生でも)普通に弾きこなす。 最近では、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番など、当時は(2m近い大きな身体と12度を軽く抑えられる巨大な手を持つ)ラフマニノフ以外の人には弾けなかった超難曲&大曲を、若いピアニストが弾きこなすようになっていて、感心