・中華料理四千年 日本生まれの華僑である著者が中国料理の歴史を日本人にわかりやすく解説する。 私は世界の料理の中で中華料理が一番好きだ。では中華の何が好きなのかというと、あれも好きだしこれも好きだしと、バラエティに富んでいるのが、一番の理由だ。その多様性はその長い歴史と多民族融合の産物だ。 「北京料理は山東料理を元祖として、蒙古族やイスラム族など北京以北の民族の影響を多分に受けている。上海料理は、蘇州や杭州などを含めた近隣地方の料理をひとまとめにしたものだ。かつては中原地方と呼ばれた黄河、長江の河川沿いに広がる穀倉地帯にどっかりと腰をすえて、豊富な農作物を食材にしている。広東料理は亜熱帯地方独特の解放感から、野趣にあふれた豊富な食材と新鮮な海産物からなる。四川料理は対照的に、内陸部の乾燥した酷暑や玄関を耐えしのぶために、唐辛子や香辛料をふんだんに使っている。」 北京料理、上海料理、広東料理