注文住宅のために多額の前払い金をつぎ込んだら、いきなり業者が倒産。お金は返らず、住宅は仕上がらず、途方に暮れる――。そんな悲劇が首都圏などで相次いでいる。トラブルを避けるには、安易に営業トークにのらず、業者への支払いに細心の注意をするしかないのが現状のようだ。 新築の家屋が立ち並ぶ東京都清瀬市下宿の一角。その1区画分の更地を前に、「本当に悔しい」と会社員の男性(28)が話した。 4月末には2階建て103平方メートルのマイホームが建っているはずだった。社宅のマンションから出て、家を建てようと考えたのは昨年9月。まもなく2歳になる娘の成長を考えて、富士ハウスに発注。だが、今年1月29日、2千万円を振り込んだその日に同社は破産した。 営業マンが「1%割り引くので全額払った方が得」と何度も食い下がるので、「どうせ払うものだし」と振り込んでしまった。営業マンも「大丈夫」と言っていた。昨秋から資