映画『おくりびと』を見て、僕が感じたことというのは、人の命というのは決して永遠ではなく限りがあり、最後のその瞬間に妻の手を取って、「今まで本当にありがとう」と笑って旅たつためには、限りある人生を実りあるものにしなければならないということである...。 というのは僕の考えであり、この映画から何を感じ、何を考えるか?というのは自由である。 しかし、この映画がアカデミーを受賞した後、テレビメディアをはじめとして多くのメディアが、例えば著名な人や、活躍する人に向けて、「あなたにとって『死』とは何ですか?」という質問をぶつけていた。『おくりびと』という映画は確かに「死」というものが中心として、ストーリーは進んでいった。けれど、『おくりびと』という映画は何も人の死生観を問いかけることにその意味があったとは僕は思わない。にも関わらず、「あなたにとって『死』とは何ですか?」と質問が多くの人に向けられたこと