アーティスト症候群―アートと職人、クリエイターと芸能人 この商品をレビューしたブログ一覧» 評価: 大野 左紀子 明治書院 ¥ 1,575 (2008-02) 「元アーティストが、似非アーティストをこき下ろした本」というと誤解を生むだろうか。私自身は、「社会学者はアーティスト(芸術家や文学者)であるべきなのか?」という疑問からこの本を手に取ったのだが、いわゆるアーティストと、ある種の社会学者の感性はすこぶる似ている。例えば、 アートの重要な意味とは、新しいものの見方を知って目から鱗が落ち、違う角度から世界を眺められるようになることだとよく言われる。近代以降のアートは、そのような「視線の更新」を不断に追い求めてきた。作品は、「あなたが見ていたのは、実は、"それ" だったんだよ」と伝えていた。 (中略) 私たちは一人ひとりが自分の視点でものを見ているように思っているが、実はそこには幾重もの社会