労働者として仕事を見るのではなく、経営者として仕事を考えると随分違った景色が見える。仕事をするのは自分なので下から見るか上から見るか、同じ自分を見ているのに全然意味が変わってくるのが面白い。 会社には社長がいる。会社の始まりは一人の社長から始まる。初めから仲間がいる場合はあれ、まずは一人だ。社長が、事業そのものを全て手の先爪の先まで見て運営していたら、これはまず一番レベルの低い状態となる。なぜかというと、社長の死が会社の死を意味するからだ。 会社とは、お金を稼ぎ続けるシステムだが、一つ特徴があって、人間の寿命を超える。健全であれば百年以上続く。だから会社は、会社に仕事を依頼するのだ。人間に依頼するとその人間は余命いくばく。誰でも命は有限だから。会社にお願いすれば、誰かがいなくなっても別の誰かがやってくれる、という前提がある。実際はそうもいかないのはともかくとして。 だから、社長は、事業の基