これで政治そのものが成り立つのか―。民主、自民、公明3党が密室協議をへて確認した民主党の政権公約(マニフェスト)見直しの合意は、2009年総選挙での民意を踏みにじるだけでなく、政治の信用が根本から問われる事態です。 (高柳幸雄) 「金看板」 今回の3党合意では、民主党が総選挙で国民に公約した主要政策のうち、高速道路無料化については「2012年度概算要求に計上しない」と明記。高校授業料無償化と農家への戸別所得補償に関しては「12年度以降、政策効果の検証を基に必要な見直しを検討する」としました。民主党が「金看板」政策とした「子ども手当」についても3党は、廃止し自公政権時代の児童手当を復活させることで合意済み。民主党は、これらの政策を「バラマキ」と批判してきた自公に完全に屈した形です。消費税増税の押し付けや沖縄・米軍普天間基地の押し付けなど数々の裏切りを重ねてきた末、自民党政治への回帰を決定づけ