平成28年の第1回の「極言御免」は新年特別編として、太田明広記者とともに取材した俳優で、政府の有識者会議「『日本の美』総合プロジェクト懇談会」の座長、津川雅彦氏のインタビュー記事を届けます。 ◇ 安倍晋三首相には常々、「ついているね」と話しています。理屈では安倍さんの勝利が考えられない状況の中で、自民党総裁や首相になったのですから。国政選挙も全部ついている。アベノミクスや安全保障関連法の成立などいろんな画期的なことをしたわけだし、名宰相になれる器だと見込んでいます。でもそれだけではなかなか大衆はついてこないから、これだけの高い支持を得ている安倍さんはついているんだなと。 第1次政権を退いた際のある種の屈辱感や敗北感がプラスに作用していると思います。 さて、価値の体系が文化です。僕は文化人だから「経済、安全保障の次は文化だ」と、ことあるごとに安倍さんに話してきました。一昨年の暮れにメールをも