「劇場の灯を消してはいけない」 ~この東北関東大震災の事態に上演続行を決定した理由〜 15日より『南へ』公演の上演再開にあたり、野田秀樹が劇場にてご挨拶させて頂きました全文を掲載致します。 今日ここに足を運んでくださった皆様に心から感謝をいたします。 今なお罹災地で苦しみ、これからの復興までの長い時間を考え、途方に暮れている罹災者の方の心中は察するに余りあります。一日も早い復興を衷心よりお祈り申し上げます。 劇場の安全確認の点検を含めて、四日間、劇場の灯を消しました。私は、その間、本当に居心地悪く暮らしました。日頃「蝋燭一本があれば、どんな時でもやれる。それが演劇だ」と言っていたからです。現実にはその蝋燭一本も危険だと思いこみ、自分の首をしめるような自主規制下におかれている気がします。何に煽られているのかは知りませんが、とにかく煽られています。無論たくさんの危険がまだ存在していることは分か