人が自分をだます理由:自己欺瞞の進化心理学 作者:ロビン・ハンソン,ケヴィン・シムラー原書房Amazon 本書は「ヒトは行動の動機について意識的に気づいていないことがある」ことをテーマにした本になる.著者はこのテーマについて深く興味を抱いた2人で,1人はコンピュータ科学と科学哲学を学んだ後にベンチャー企業でエンジニアをしていたケヴィン・シムラー,もう1人は社会科学者かつ経済学者(修士は物理学と科学哲学)であるロビン・ハンソンであり,いかにも知的好奇心と才能にあふれた2人組だ.邦題の副題は「自己欺瞞の進化心理学」となっているが,著者たちが本職の進化心理学者であるわけではない.しかし関連文献をしっかり読み込んだ上で書かれていて内容は深い. 原題は「The Elephant in the Brain: Hidden Motives in Everyday Life」.「部屋の中のゾウ」というのは