新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で、観光客の姿が少なくなった錦市場(17日午前11時7分、京都市中京区) いつもは満員電車のような混雑の「京の台所」の錦市場(京都市中京区)を買い物客が悠々とすれ違う。「ここ数日、売り上げは例年の3割以下。こんなに悪いのは初めてだ」。長年、食料品店を営む男性は嘆く。 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大は、訪日外国人でにぎわいをみせていた京都の風景を一変させた。特に中国政府が海外への団体旅行を禁止した1月末以降は観光客が激減。インバウンド需要を追い風に好調だった宿泊・小売などの観光関連産業に深刻な影響をもたらしている。 男性の店舗では、数年前から中国人観光客の好む高額商品を増やすなど品ぞろえを変えた。「爆買い」に支えられ、売り上げを伸ばしてきただけに、「東京五輪までに何とか終息してほしい」と先行きの見えない状況に不安を募らせる。 ■百貨店で6割減も