ですが今度は、一言も咲には 聞こえてまいりません。 咲の耳が聞こえなくなってしまったのかと、最初は思いました。 でも、そうではないようです。 それで……、分かりました。 咲は音のしないところにいるのです。 ……溢れるほどのお花、 ありがとうございました。 夢の中で咲が申したかったのは、 お花のお礼でした。 咲にはもうそれだけで充分です。 本当にありがとうございました。 でも……、 その次からは、 咲のことなどお忘れください 「空知らぬ風」 山猫🐾 (id:keystoneforest) より もちろん鬱の薬のせいかもしれない 前に前々世の わたしだという女性が となりに寝ている夢を見た事があった 顔だけきっちりこっちを向いている 彼女の後ろには 白い本棚も見えている 「あと 何百gか 足りなかったの。」 生まれていないらしい 「それでも 前世の前世の わたし なの?」 「そうです」 そこ