「使い過ぎたら大変」「盗まれたら大変」──だからカードは危ないと教えこまれてきた「現金族」にとって、“カードを持っていないと損する”社会は違和感だらけである。目に余る「カード優遇社会」への不満が、いろいろな場面で渦巻いている。 孫の顔を見るため、隣県に住む娘夫婦宅に車で向かうことが増えた元公務員のA氏(68)は、有料道路が割引されるETCを搭載しようと車用品店に駆け込んだ。 「店頭で『クレジットカードの情報が必要です』と言われ、『そんなもん持ってない』と答えると、店員に『保証金』として2万円以上も請求されたのです」 ETCはクレジットカード払いが原則で、カードがない人は高速道路6会社が共同で発行する「ETCパーソナルカード」を申し込まなければならない。だが、申し込み方法はかなり複雑で、「保証金」を前払いしなければいけない。 「結局面倒臭さに勝てず申し込むのをやめましたが、それで有料道路を通