9月13 日本の生命線・希少元素を置き換える 近年学術誌の表紙が凝ったものになりつつあることは以前にも書きました。で、実は筆者自身もこの波に一枚�筋むことになりました。最新のJournal of Organic Chemistryの表紙のデザイン(下図)、筆者の基本アイディアのもと制作していただいたものです。中村栄一教授のグループによる、C-H・C-X・C-C結合を切断する鉄触媒の総説ということで、日本刀にこのイメージを託しました。 鉄を用いる触媒反応は近年大きく進展しつつある分野であり、特に日本が先陣を切って研究を進めています。また先日書いた鉄系超伝導物質も、東工大の細野秀雄教授らが切り開き、世界を先導している分野です。 こうした希少金属(レアメタル)から豊富に存在する金属への置換は、日本の生命線にかかわる研究であるといえます。産業の様々な分野で不可欠であるレアメタルが、どんどん入手困難