土曜日、 しんと静まり返った湖畔。もうすぐ夜が明けるというタイミングだ。山の向こうが少しずつ赤みを帯び始め、だんだんとオレンジ色の部分が増えてくる。ゆっくりゆっくり太陽が顔を出して、まるで互いを真似っこしているかのように、太陽の光と山々の影が、そのままそっくりと湖畔に映る。それくらい、空気が澄んでいて、そして風一つなく水面が穏やかなのだ。 太陽の光を浴びて目を覚ました鳥たちが、湖にやってきて湖面にゆっくりと降り立つ。湖も少しずつ目を覚まし始める。 小鳥が落とした木の実を追って水中に潜ってみる。魚たちもやっと目を覚ましたようで、ゆっくりと水草の間を泳いでいる。光が差し込んでまるでカーテンのよう。水上と水中、湖面一枚挟んだその二つの空間は、矛盾もなく両方とも穏やかだ。 本当はこうやって、物事は矛盾なく寄り添っていけたらいいのに。でも決してそんなことはない。 こんなにも穏やかで美しい景色が広がっ
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