訓読 >>> わが行きは久(ひさ)にはあらじ夢のわだ瀬にはならずて淵(ふち)にあらぬかも 要旨 >>> 私が筑紫に行く期間は長くはないだろう。吉野の夢のわだは、瀬に変ることなく、帰ってきたときも淵であってほしいものだ。 鑑賞 >>> 大伴旅人の歌。大宰府に赴任する直前の歌とされます。大宰帥は任期の定まった官だったことから、それほど長い赴任ではないだろうと推測しています。「夢のわだ」は、奈良県吉野町の宮滝付近の淵の名で、離宮のやや上流あたりから川が大きく湾曲し、底が深くなっている所。流れが緩やかになるので、船を浮かべて遊覧でき、夢心地になるところから名付けられたようです。いつか必ず再訪するので、昔通りの姿で待っていてほしいと言っています。 大伴旅人の略年譜 710年 元明天皇の朝賀に際し、左将軍として朱雀大路を行進 711年 正五位上から従四位下に 715年 従四位上・中務卿に 718年 中
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