『実力も運のうち 能力主義は正義か?』(マイケル・サンデル:著、鬼澤 忍:訳/早川書房) 東大なんてのはな、やり方次第で簡単に入れる――。テレビドラマ『ドラゴン桜』で弁護士・桜木建二は生徒たちこう演説する。日本は学歴社会だ。大学受験で偏差値の高い大学に入れば、それが能力の証になり年収の高い職に就きやすい。だから多くの受験生は、多大なストレスと引き換えにランクの高い大学を目指して必死に勉強する。社会に出てからも安心はできない。日本企業も成果主義へ移行しつつあり、毎期の人事評価が昇給やボーナスに反映されていく。 勉強のできる者がよい大学に入り、仕事のできる者が高い給料をもらう。一見平等で合理的なこの社会に、一石を投じるのが本書『実力も運のうち 能力主義は正義か?』(マイケル・サンデル:著、鬼澤 忍:訳/早川書房)だ。著者は2010年に発売した『これからの「正義」の話をしよう』(早川書房)が日本
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