(藤原書店・3888円) 今こそ生きた歴史学を 上田正昭(うえだ・まさあき)さん 第二次世界大戦のさなかに大学に入り、戦後の混乱期に卒業した。「臣民」として「天皇」と「皇国」に殉ずるべきだと教育された。敗戦とともに抱いた「天皇制とは何か」という疑問を解明しようと、古代史に本格的に取り組むようになった。「戦後70年はそのまま私の研究史に重なります」 ここ3年ほどの間に学術誌などに発表した論文と書き下ろしで構成した。88歳にして81冊目の著書。「人生最後の論文集になるでしょう」。それでも随所に新視点を盛り込んだ。 この記事は有料記事です。 残り805文字(全文1062文字)