欧州車は、たとえ1000ccの車でも操ることの歓びをスポイルすることはない。その思想が欧州車メーカーの作る自転車に生かされている。子供の頃、自転車に乗ればどこまでも行ける、と信じていた感覚。その楽しさ、快感を取り戻すのなら、これらの自転車がふさわしい。 欧州車メーカーの自転車を語る前に、欧州車の思想から語ることが必要だろう。 今日、車の性能は世界各国のメーカーを見てもボーダーレスになっている。日本、北米、欧州、それぞれが互いの利点を吸収し、細分化してニーズに合わせた性能と装備の車を作り上げている。にもかかわらず、欧州車が相変わらず個性を放っているのはなぜか? その根底には『乗って楽しくなければ車ではない』という思想が流れている。 欧州では自動車レースが盛んだ。北米でも盛んだが、そこにはレースの質の違いがある。欧州で盛んなのはF-1を筆頭に市販車ベースのラリーやツーリングカーなど。北米ではイ