ついでなので、オシム老師の記事も公開。 フッチバル誌、04年3月に書いた原稿です。 良い雑誌だったんだけどなあ。 頭足人をご存知だろうか? 知らないとは言わせない。描いたことがあるはずだ。というよりも、頭足人は、誰の心にも、必ず住んでいるのだ。もちろん、読者諸兄の心の中にも。 頭足人は、読んで字のごとく、頭から足が生えている人間のことで、「とうそくじん」と読む。児童心理学の教えるところによれば、幼児は、どこの国の、どの文化圏の幼児であっても、必ずある発達段階で、この、顔に手足がついた人物像である「頭足人」を描くことになっているのだそうだ。ヨーロッパ人であれ、アジア人であれ、世界中どこの国でも、3歳から5歳ぐらいまでの子供は、必ずや、このモノを絵に描いているのである。 おそらく、幼児の目には、顔と手足だけが映っている。つまり、最も重要で最も印象的な部分だけを彼らは知覚し、描写しているわけで、