2023年初頭の大勝負は、藤井聡太王将(20=竜王・王位・叡王・棋聖を含めて五冠)に羽生善治九段(52)が挑戦している、第72期ALSOK杯王将戦七番勝負だ。 藤井王将は2020年からタイトル戦を11期連続で制覇している「令和の最強者」。羽生九段はタイトル獲得が歴代1位(99期)である「平成の王者」。そんな両者がタイトル戦で初めて対決した。王将戦の展望と第1局の戦いについて、田丸昇九段が解説する。【棋士の肩書は当時】 藤井四段デビューから6年後、羽生九段は挑戦者として 2017年に藤井四段がデビュー戦から29連勝の新記録を打ち立てたとき、羽生三冠は「ひのき舞台で顔を合わせる日を楽しみにしています」とコメントした。ひのき舞台とは、タイトル戦の対局のこと。当時は羽生が藤井の挑戦を待ち受けていた。 それから6年後の2023年の王将戦は、保持者の藤井が羽生の挑戦を受けて立場が逆になった。 2017