活字中毒というほどの読書家ではないのだけれど、本は旅の必需品だ。もちろん、オートバイ・ツーリングにも持っていく。 ホテルのベッドで、あるいはテントの中でシュラフにもぐりこんでは本を開く。 ツーリングは本にとって過酷な条件であって、しばしば表紙などをボロボロにしてしまう。オートバイ・ライディングが見た目よりも(あるいはライダーが感じているよりも)タフであることは、オートバイ用ではないブーツやグローヴでツーリングをすると、すぐに使いものにならなくなることでもわかる。 書店で購入する際にブックカバーをかけてもらっていれば、そんなことにはならずにすんだろう。けれども、ぼくはブックカバーをかけてもらうのを好まない。 なぜなら、ブックカバーは本を読み終えると余計なゴミになる(ほかの本に使い回しをすればゴミにはならないが)。それで、私は表紙を裏返して白い面を表にして本にかけていたし、それさえせずに裸