広川貞治（４７＝東京）が６Ｒで好調をアピールした。目標の内藤高裕は不発だったが、５番手から内を踏みながら直線一気に快勝。 「納得の伸びですね。函館（３場所前）から使っているこれがいい」と言って黒いアンダーシャツを指さした。「同期のレジェンド神山雄一郎も頑張っているからね。自分はまたＳ級を狙って目標にしていく。今期の一発目だし準決も…」。１０Ｒは埼京ライン３番手から直線勝負に持ち込む。

遠藤エミ（２７＝滋賀）が準優９Ｒで磯部誠（２４＝愛知）との接戦に競り勝ち、優勝戦の１号艇をつかんだ。 １Ｍはターンミスで磯部に差されたものの、２Ｍは鋭い差しハンドルで磯部をつかまえた。「１Ｍは失敗しましたね。でも、２Ｍで差し返すことができたし、足は良かったと思います」。うれしさよりも、ほっとした表情を浮かべた。流れを完全に引き寄せた。Ｖチャンスを逃さず、インから押し切りあるのみだ。

予選が終了し、男子は山口剛（３２＝広島）、女子は細川裕子（３３＝愛知）がトップ通過を決めた。 山口は「全体に足はいいです。インならまくられることはありません」と手応えに自信を深める。 細川も「エンジンは抜群になりました。特に乗りやすさがいいです」と調整に正解を出した。 山口は準優１１Ｒ、細川は準優１２Ｒに登場。ともに危なげなく逃げて優勝戦の１枠をつかみ取る。

稲垣裕之（３７＝京都）が初日特選で後続をぶっちぎる２角まくりで圧勝した。 上がりタイムの１１秒２も初日の１番時計だった。まるで別世界の強さだ。高松宮記念後は、武田豊樹や平原康多らとトップスピードの持続時間の差を痛感して猛トレーニングを積んできた。その成果も出たようだ。「周りの動きもよく見えたし、調子はいいと思います」と手応えも上々だ。準決１１Ｒは、もちろん連勝で決勝進出に照準を置く。

１０７期の大矢崇弘（２４＝東京）がデビュー戦のチャレンジ３Ｒを鮮やかな逃げ切りで快勝して、地元ファンの声援に応えた。 「ラインでワンツー（埼京１番人気）だったから良かったです。緊張しましたが体はしっかり動きました。（実戦の）レースの感じをつかめたし、またしっかり力を出し切るだけです」。準決３Ｒもフレッシュな積極策で連勝を狙う。

大沢大夢（３１＝埼玉）が無傷の３連勝と絶好調だ。 ９Ｒはイン麻生慎介を２コースまくりで下した。「スタートを全速で行けた分、まくれましたね。伸びはいいと思います」と表情も晴れやかだった。伸びを生かした果敢なレーススタイルで３日目も好勝負必至だ。

前回の５月伊東Ｆ１でＳ級初優勝を飾って以来、約１カ月半ぶりの実戦だった津村洸次郎（２４＝福岡）が、７Ｒで逃げて３着に粘って予選を突破した。 「久々の実戦でレース前は緊張しました。練習はしっかりしたけど、レース勘が不安でいっぱいでした。それでも逃げて３着なら大丈夫。準決は落ち着いて走れそうです」。準決１１Ｒは、シリーズリーダーの石井秀治を相手に先行勝負する。

ベスト１８で紅一点だった平高奈菜（２７＝香川）は、優出は果たせなかった。 準優１０Ｒ、２コースから差すと、その内を差した山田康二と２Ｍでもつれて失速。６着に終わった。「足は良かったけど１Ｍはターン漏れした。２Ｍは先に回れば何とかなると思ったけど、キャビってしまった」。ＶＴＲを見ながら悔しそうにレースを振り返った。

Ｇ１第２４回寛仁親王牌（１７～２０日）を開催する弥彦競輪場の関係者とスピーチーズの木村菜摘、長田真友子、北川果歩がＰＲのため６日、東京・築地の日刊スポーツ新聞社を訪れた。 ９人のＳＳ班、山崎芳仁、新田祐大らスター選手が参戦する。熊木克也所長は「素晴らしい選手ばかりです。売り上げ目標１００億円をクリアしたい」と話していた。 毎日多くのイベントがあり、１７日の開会式では高橋ジョージが君が代を独唱し、７Ｒ終了後にライブをする。スピーチーズは１９、２０日にバンク内でライブを行う。木村は「（特設売店で）ＣＤとＤＶＤを発売する予定です。たくさん買っていただけるよう一生懸命歌います」、４月に加入したばかりの長田は「競輪選手の筋肉はすてきすぎます。車券を買って競輪を勉強しています」、北川は「誰が車券を一番的中するか競いたい」とそれぞれ笑顔でアピールした。

峰竜太（３０＝佐賀）が、リベンジを誓った。 準優進出戦１１Ｒはインながら杉田篤光のツケマイを受け、道中も市川哲也にかわされ、３着に後退。５日目の準優１２Ｒは枠を５号艇まで落とした。 「今のはペラが０点。調整失敗して足落ちしてました。合えば全体にいいです。やり返しますよ！」と笑った。 やられた杉田が２号艇に座り、１号艇にはシリーズリーダー石野貴之。今日の悔しさをぶつけるには絶好の組み合わせになった。

動き一変した森且行（４１＝川口）が今年初優勝に王手をかけた。準決９Ｒは開けっぷりよく大きいコースを使って進出し、３周４角で逃げた長谷川啓をひとまくり。後続をちぎって圧勝した。「デビューした７月６日（９７年）で気合が入ったね。エンジンはパワー不足の原因が分かったし、タイヤは滑っても走路をかいていく」。エンジンとタイヤがマッチングし、天気不問で有力な優勝候補となった。

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加瀬加奈子（３５＝新潟）が７Ｒで矢野光世の先行をまくって順当勝ち。 ただ、決まり手にまくりが付いたことに「ダッシュがない分、出切るまでに時間がかかった。悔しいですね」と残念そうに振り返った。もっとも、仕上がりに不満はない。「最終日にベストに持っていくよう調整しているから、日ごとに良くなるはず」と笑顔を見せた。２日目はルーキー三宅玲奈が相手。「（三宅は）動いてくるかなっていう感じ。いつも通り先行したい」と主導権を渡すつもりはない。

寺田祥（３６＝山口）が好調エンジンを手にした。「伸びが良かった」と試運転での気配も良好だ。 初日１２Ｒのドリーム戦には１号艇で登場する。地元シリーズだけに、きっちり勝ってリズムに乗りたいところだ。

１０７期の卒業記念チャンピオンとして注目された新山響平（２１＝青森）が、大宮５Ｒを逃げ切り、デビュー戦初勝利を飾った。「緊張しました。まずは勝てて良かったです」と白い歯を見せた。 打鐘前、４番手から上昇して先行態勢に入った。そのままペース駆けに持ち込むと、最終３角から踏み直して後続を一気に突き放した。約１周半の先行に「まずは（前に）出てからと思っていたので、出ることに集中した。距離は長いかなとも思ったけど、思ったほどではなかった」と涼しい顔。それでも「スピード域がまだ低いので」と、反省も忘れなかった。

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１０７期卒業記念覇者の新山響平が、５Ｒでデビューする。 学校時代は徹底先行で鳴らし、卒記決勝で逃げられなかったことを悔やんだほど。「雨も降らなかったので納得の練習ができた。特に強弱をつけて踏む練習をしてきました」と、仕上がりに胸を張った。ウエートトレ効果で体重も５キロ増えたという。 師匠は「ロスの超特急」坂本勉、兄は今期からＳ級の将史で、練習環境も抜群。「同期のレースは毎日チェックしています」と、弥彦で完全Ｖデビューを飾った吉田拓矢にも刺激を受けた。最速での特別昇班へ、デビュー初勝利を狙う。

Ｓ級復帰へチャレンジ戦からはい上がってきた須永優太が勝負の今期初戦に臨む。 １１年１月の立川Ｇ３の１予快勝などＳ級でも活躍したが一昨年９月に重度の腰痛を発症して約６カ月間の戦線離脱。昨年７月からはチャレンジ戦へ降格した。「ひどかった腰のヘルニアがやっと回復。ギア倍数の規制で自分の脚質に合ったギアになったのも大きい」。今年は２月小田原で完全Ｖを飾ると前場所の函館Ｖも含めて優勝４回。「最悪の展開でもしのげている」と元Ｓ級の機動力で席巻中だ。Ｓ級復帰も照準に入ってきた。 ３分戦の予選９Ｒは機動力全開で連続Ｖへ好スパートだ。

川口のレジェンド・篠崎実が、今節から最高ハンで奮戦中だ。 最終予選７Ｒは４着ながら大崩れはしていない。「試走は食い付いたけどレースは滑った。試走が出ているのでエンジンはこのままでいい」。前節船橋の優勝戦で３着となりマシンは好調だ。現在６６歳。ＳＧを２回優勝して通算１３７９勝の古豪が、存在感をアピールしている。準決１１Ｒは連続優出を懸けて気合の走りを披露する。

今年は優出５回、優勝１回と好調な奈須啓太が、パワー抜群のエンジンで優勝戦に乗り込む。 準優１０Ｒは２コースからしっかりと２着を確保。直線でグンと伸びて北村征嗣の猛追を振り切った。５９号機は節間を通じ、他選手から「出ている」との声が続出した。４枠の優勝戦に向け「伸びはいい。今節はスタートはダッシュの方がいい」と意欲的だ。平和島は２度目の優出、初優勝への視界は良好だ。

黒崎竜也がぎりぎりで準優進出戦に進んだ。得点率は５・２０ながら、ボーダーが下がり、同率の織田猛との着位差で２４番目に滑り込んだ。 今節は１走目で転覆（責任外）。いきなりシャフト交換を施したが「感触がだいぶ良くなった」と吉と出た。その後はペラ修正に入り、「スタートして出ていった。直線はいい方」と伸びは強め。回り足はまだ調整途上ながらピット離れも優勢。外枠でも侮れない雰囲気を漂わす。

平原康多（３３＝埼玉）が１月の大宮以来、今年２度目、通算１４度目のＧ３優勝を飾った。２着は磯田旭、３着は村上義弘が入った。 平原の対応力が存分に生きた。レースは脇本雄太と原田研太朗が打鐘からたたき合い、平原に絶好の展開となった。しかし、最終１角で小倉竜二と村上が目の前で絡み、仕掛けを逸する。そして、２角からまくり上げると、今度は３角で村上のけん制を受け、万事休したか…に見えた。ところが、３番手に入り直し、最後は村上と脇本の間を割るという信じられない走りで優勝した。 底知れぬスタミナは一体どこから来るのか？　平原は「苦しかったけど、１番人気になっていたので、諦めませんでした」とファンの支持に感謝した。次回はＧ１寛仁親王牌（１７～２０日）に挑む。「渡辺（一成）、新田（祐大）とは足の差を感じる。今後はそれを埋めていきたい」。さらなる進化を遂げて、弥彦に乗り込む。【東　和弘】