G1全日本選抜（2019年2月8～11日・別府）の選手選考は今月末まで。そのボーダー上にいる伊勢崎彰大（40＝千葉）が張り切っている。 初日特選は山賀雅仁と共倒れだったが、準決10Rは簗田一輝のまくりに食い下がって2着。「簗田は出切ってから余裕で流すし強いね。ただ、どんな踏み方をするか分かったし決勝は差すよ」と話した。 全日本選抜へ勝負駆けの他にも発奮材料が多い。「決勝が終わってから、高校の自転車部の先輩がオレに夕飯をおごってくれる。もちろん優勝すれば、逆におごるつもり。頑張るよ」。絆を大事にする、義理堅い勝負師が健闘を誓った。

「ホンマ、しんどかった」。2R予選を豪快にまくって快勝の金子浩貴（32＝京都）は、引き揚げてくるなりスポーツドリンクをゴクゴク飲み干した。 はた目には楽勝のレース内容に見えたのだが、金子自身は「いまだに自力のイメージが強いみたいですが、今は追い込み仕様なんですよ。前がいないときは大変なんですから」。 苦笑いでのインタビューとなったが、「ただ状態的には悪くないと思います。準決は誰か目標がいると思うし、今度は自分らしいレースをアピールしたいですね」。

宮下潤（40＝神奈川）が4Rチャレンジ準決勝で先手ラインの3番手を死守して久々の決勝進出を決めた。 初日は「とにかくひっつき虫のように必死で食らいついて2着に入った」と笑顔だったが、準決も「初日の必死さが生きた」と再びにっこり。 将来有望な113期がそろう中「準決2つの3着権利で救われました。決勝も3番手で頑張る」と気迫の追走で上位を目指す。

植原琢也（24＝埼玉）が3Rチャレンジ準決勝で自力ライバルを鮮やかなまくりで圧勝した。最終Hの位置取りは6番手だが、強烈な踏み出しで前団を一蹴した。「前の動きを見ながら落ち着いて仕掛けた。いい感じで踏めてます。この勢いで優勝を狙います」とにこやかに答えた。 前回小松島の後、祖父母の住んでいる愛媛に移動。そこに滞在して賞金で道後温泉の旅行券をプレゼントした。祖父母孝行がこのシリーズでも生きてくるか。

地元の江夏満（38＝福岡）がこの日の2走を1、2着にまとめ、準優の1枠を手に入れた。 「こんなチャンスはめったにないです」とやる気満々。「グリップ感があるし、レースで伸び負けることもない。しっかり回れるし、いい部類だと思う」と舟足にも胸を張る。 G1で5回目の優出へ、準優10Rは一気逃げを図る。

1R予選は、安谷屋将志（29＝沖縄）が後ろ競りという絶好の展開に持ち込み逃げ切った。 「九州勢で決められなかったのは申し訳なかったけど、状態としては問題ないですね」。まずは納得のコメントが口をついたが、今年の後半戦は、中途半端なレースが続いて点数も一気に下降。自問自答の毎日が続いたという。 そして安谷屋の出した結論は、「もう1度タテ中心の競走で頑張ってみようと思った」という。さらなるレベルアップへ、安谷屋の再挑戦は始まったばかり。

待鳥雄紀（38＝福岡）が気配を立て直して2連勝を飾った。 前半3R、塚原武之の逃げを差してとらえた。後半10Rは気配のいい深谷知博、大沢大夢、落合直子らの攻撃を封じて逃げ切った。 「伸びはつかないけど、出足がスムーズになった。この方向で調整したい」と意気込んだ。

予2・6Rを先行で押し切った鈴木美教（24＝静岡）は、「ここまでの連勝は当然」とばかりに、表情を変えずに引き揚げてきた。 今はどこに行ってもガールズグランプリ出場を巡る賞金争いの話ばかり。 「いろいろな方の期待が痛いほど伝わってきて、私もそれに応えたい気持ちでいっぱい。争っている尾崎睦さんは、何度もこういうことを経験している人。私もここを乗り切れば、来年はもっと大きくなれる」。 この試練を苦痛とはとらえず、しっかり先を見ているのだから恐れ入る。 決勝11Rのライバルは、地元の佐藤水菜。「西武園で1度対戦している。力はあると思うけど、負けているとは思わない。自分のレースをするだけ」。 今の鈴木が戦うべき相手は、佐藤でも尾崎でもなく、自分自身なのだ。

青山周平（34＝伊勢崎）が混戦を抑えきって、今年8月のオートレースグランプリ以来、通算4回目のSG制覇を成し遂げた。日本選手権オートレースは初制覇。 試走から小雨が降る不安定な走路状況。ただあまり激しく降らず、レースはほぼ良走路に近いぶち走路で争われた。 トップスタートを切った青山だが、2周回1コーナーで丹村飛竜（5着）に一度は先頭を譲った。しかしすぐさま3周1コーナーで先頭を奪い返すと、丹村や早川清太郎（2着）、若井友和（3着）といった面々を鉄壁のインを締めて走る走法で抑えきった。 「試走へ行く直前にキャブのセッティングを変えたのが良かったのかも」というエンジンは好気配を保ったまま本番に臨めた。 「本当はペースを上げて逃げたかったけど、混戦なら後続がやりあうし、あれでいいやと」ペースを上げることより、後続を抑えることに集中。それが見事に功を奏した。 これでSG4回目の制覇。SG全冠制覇へ

地元の若井友和（44＝川口）は3着に入り、頂上決戦・スーパースター王座決定戦トライアル出場を決めた。 スタートは枠なりの5番手。中盤で2番手に進出したが、混戦になり突き抜けることはできなかった。 「仕掛けるチャンスは何回かあった。大レースの経験不足なのか、慎重になりすぎた。エンジンとタイヤは良かった」。 戦う支部長が地元の年末を大いに盛り上げる。

地元の女子レーサー・佐藤摩弥（26＝川口）のSG初戴冠は持ち越しとなった。 スタートで6枠から4番手につけたが、粘り切れず8着に敗れた。 「SGや大きい大会に合わせて整備するのも実力の内なので、整備できるようになりたい。またチャレンジしたい」。 実力日本一決定戦で優出できたことは大きな自信となった。オート界屈指のスタートに磨きをかけたサトマヤの今後の活躍が楽しみだ。

早川清太郎（36＝伊勢崎）は8月伊勢崎のオートGPに続く今年2回目のSG準Vに終わった。 スタートで遅れて最後方から前団を追う展開に。追い足は鋭かったが、先に抜け出した青山周平にはわずかに届かなかった。 「道中あのスタートでタイヤを使いすぎた。5周目ぐらいからズルズルに滑った。若井（友和）さんが視界に入って、インに入り込めなかった」。 序盤で展開をつくれなかったのが響いた。

4日間の総売り上げは46億2791万7100円で、目標の50億円に届かなかった。

5日間の総売り上げは15億5624万9100円で前年比108％だった。 後半2日間は本場で1万人以上入り、売り上げが伸びたが、目標の16億5000万円には届かなかった。

3日目7R、坂口周（40＝三重）がピット離れ良くインを奪って逃げ切り、今節3勝目。オール3連対をキープし、得点率2位に浮上した。 「ピット離れ、出足がいいですね。展示タイムもいいし、伸びも悪くない。グリップ感が付けば文句がない足になるけど、この足を落としたくない。このままでいい」と仕上がりは順調そのもの。 予選ラストの4日目はコース取りからシビアに立ち回り、予選トップ通過を狙う。

青山周平（33＝伊勢崎）がトップスタートを決めて後続をうまく抑えながら完封。8月のオートレースGP以来今年2度目、通算4度目のSG優勝を決めた。 鈴木圭一郎時代に待ったをかけて、完全復活を印象付ける走りだった。2着は早川清太郎、3着は若井友和が入った。 女子レーサーとして初のSGファイナルに進出した佐藤摩弥は8着だった。 2連単（4）（3）580円。3連単（4）（3）（5）4240円。 （注＝成績、払戻金などは必ず主催者発行のものと照合してください）

茅原悠紀（31＝岡山）がオール3連対と好調だ。 ここまで5走して1勝、2、3着が各2回。回り足を中心に気配もいい。得点率争いではトップタイの好位置で、準優は当確。 予選最終日の4日目は、準優の好枠を目指して11R6枠の1走に挑む。

3日目まで無傷の6連勝としていた渡辺雄一郎（32＝大阪）が、4日目も力強い内容で勝ち、連勝を8に伸ばした。 最終日の優勝戦は当然1号艇での登場となる。 「全部いい。特にスリット近辺の伸びがいい。ターンの立ち上がりもいいし節一です。進入が乱れなければ、圧倒できるんじゃないでしょうか」。 完全Vへ、先マイあるのみ。インから力強く押し切る。

藤丸光一（51＝福岡）が「恵まれ」で優勝を飾る波乱の決着となった。 人気を背負った1号艇の秋元哲が1Mで転覆失格。 2コースからまくって出た星栄爾もバックで抜け出したところでコンマ01のフライングコールで脱落。 藤丸は芦屋21回目の優出で、待望の初優勝をつかんだ。

清水裕友（23＝山口）が期待に応え、地元でG3初優勝を決めた。 レースは打鐘で三谷竜生－村上博幸の近畿勢が仕掛け、三谷と鈴木庸之が激しく競り合う展開。清水は満を持して7番手からまくって出ると、最後は後続をぶっちぎる圧倒的な強さを見せた。 ウイニングランでは右手を高々と突き上げ、ヘルメットをスタンドに投げ入れて喜びを表現した。 2着は郡司浩平、3着は松浦悠士が入った。 2車単（1）（9）2000円、3連単（1）（9）（4）6390円。 （注＝成績、払戻金などは必ず主催者発行のものと照合してください）

6Rで行われたブロック7は北津留翼（33＝福岡）が打鐘6番手から山中貴雄を連れて一気にスパート。最終HSで出切ると、そのまま快速を飛ばして逃げ切った。 「松岡（篤哉）さんが早めにフタしてきたので、下げてタイミングを計っていました。少し遅くなってしまい焦ったけど、出切れました。同期（山中貴雄）とワンツーを決められて良かった」。 防府は2年前の67周年で優勝。バンクとの相性の良さも追い風に、絶大な人気に応えた。

A級準決4Rは守谷陽介（38＝岡山）が、北野良栄と新納大輝の先行争いを8番手からひとまくり。 初日特選は坂本修一を目標に差し切っており、今節の2勝を加えて通算299勝とした。残念ながら準決5Rで坂本－峰重祐之介が脱落して特選の再現とはならなかったが「全力で同県を応援していたんですけどね（苦笑）。こうなった以上は自力で300勝を狙います」と完全Vを公約した。

岡崎恭裕は執念の逆転で初勝利を飾った。 2日目10R、先頭の丸岡正典を追い上げ、2周1Mで逆転した。「何もしていないけど勝手に良くなった。伸びは一緒ぐらいあったし、出足も丸岡（正典）選手についていけた」。気象条件に合ったのか、初日よりパワーアップに成功した。3日目も2日目と同様に気温は高めで晴れの予報。2R4枠、6R1枠でポイントの上積みを狙う。

【キムジューのFA宣言太いの当てる！！】 日本選手権の最終日に強い選手をピックアップ。優勝戦の資金作りを狙う。 ◆2R　森谷は過去7回、日本選手権に出ている。最終日成績は3、2、6、2、1、2、3着と好走することが多い。（6）から（7）（8）（5）（2）の2、3着。 ◆6R　早船は過去10年の日本選手権で最終日に限れば10戦6勝とかなりの好成績だ。（5）から（6）（7）（8）（2）の2、3着。 ◆8R　桝崎は日本選手権最終日は一昨年から1着で締めくくっている。今年も白星を決める。（3）（1）（2）、（3）（1）（4）、（3）（1）（6）、（3）（1）（8）、（3）（1）（7）の5点勝負。

【大野義孝のオレに任せろ】 青山周平が大会初制覇にチャレンジする。「オレに任せろ」の大野義孝は、12R優勝戦で迷わず青山（33＝伊勢崎）を本命に推す。4日目準決10Rで8枠から速攻を決めて快勝。スタートは切れており、素早い仕掛けから4度目のSG優勝を飾るとみた。 青山のスタート速攻に期待する。準決10Rは8枠から好スタートを決めて一気に先頭に躍り出た。「摩弥ちゃん（佐藤）よりちょっとだけ先行できた。今年一番のスタートが切れた」と笑顔で会心のスタートを振り返った。 車の仕上げも順調だ。前2節（浜松SG、山陽G2）は車の動きが悪く、上がり3秒40が切れずに優出も逃した。そのため、今大会は初日に向けて新品クランクに交換した。初日の後は新品ヘッド、2日目後は新品ケース、3日目後は新品シリンダーと次々と新しいパーツを投入。それが奏功し、4日間の上がりタイムは3秒38台を計時した。準決の車の手応えは「

S級点数キープへ勝負駆けの末木浩二が好スタートを切った。京王閣は日大時代に乗り込んだバンク。予選9Rは打鐘から先制し、得点109点の簗田一輝を相手に押し切った。「走り慣れたバンクだが、勝てて自信になった。直前に兄弟子・志村龍己さんから助言をもらった。得点を上げたいし初の準決突破を目指す」と話した。 志村から言われた「アップとか体調を上げる方法が効いた」と刺激をもらった。準決10Rも挑戦者の立場として、ひるまずに逃げる。

今回の三宅愛梨はひと味違う。普段は「フィーリングで走る」など、抽象的なコメントで報道陣をけむに巻くが、前検日から「確定板に載る走りをする」とキッパリ。 予1・6Rは主導権を握った鈴木美教に食らい付き、有言実行の2着。1／2車輪差まで迫ったものの「頭と自転車がマッチしている。あと3回スピード練習をしてたら抜いてたな」と悔しがった。ビッグマウスのタイプではないだけに、今回のやる気には真実味がある。予2・6Rの走りに注目だ。

前期末のA1級勝負駆けを成功させた河野真也が、今度は桐生初優勝にチャレンジする。 エンジン評価は上位からトップ3、そして節一へと日ごとにアップしたが、6日目は気配が急変した。「ペラにひびが入ってから足落ちしている。しっかりたたくか、新ペラに交換するか一晩考えます」と決断の時が迫る。優勝戦は攻撃力を生かせる3枠で登場。エンジンのポテンシャルは高く、節一パワーを取り戻して優勝をつかみとる。

新開航（22＝福岡）がデビュー2回目の優勝を飾った。コンマ08の全速スタートを決めて押し切った。2着に中村晃朋、3着には今泉友吾が入った。 1号艇での優勝戦。本人は意外と冷静だった。「深呼吸したら落ち着いていました」。全艇スローの上に全選手がコンマ0台のスタートになったが動じない。「楽にスタートが行けた。早いとは思ったけど全速で行った」。先マイを決めると後続から迫る艇はなし。バックでは他艇を寄せ付けることはなかった。 デビュー初Vを飾った1月の芦屋一般戦は6コースからのまくり差しだった。今回は1枠で勝ったことに価値があった。「今回の優勝は自信につながる」と言い切る。次走は7日から芦屋一般戦。A2級から19年前期はB1級の立場となる。目標をA1級昇格と最優秀新人選手に定めて、19年の飛躍につなげる。【中牟田康】