日本生産性本部の調査で新卒社会人の72.8%が「育児休暇を取得したい」と回答し、滋賀県大津市で開かれた“パパ首長サミット”では、育休を取得した経験を持つ広島県の湯崎英彦知事ら7人のイクメン首長が「育休は労働だ。『育労』とでもしたらイメージが変わるのではないか」と主張した。 さらに長崎県佐世保市では、「我が子との触れ合いの大切さは、たとえ環境が変わっても変えることのできない不変のもの」として、育休取得などを促す「市長からの手紙」が、市内の3000カ所の企業に送られたという。 子育てと仕事。男性の育休取率は、いまだに2%未満にとどまり、一向に改善されていない。女性についても、育休取得率が全体では9割近くになる中、それでも取れない環境に置かれている女性たちが依然として少なくない。育休が取りやすい会社と取れない会社との二極化が、明らかに進んでいるのである。 そんな中、若い男性たちは、「育児参加は当
日本で企業の社会貢献が本格的に話題になったのは、1980年代バブル終焉後である。戦後の高度成長により日本は経済超大国になり、米国の対日貿易赤字は増えるばかりであった。1985年のプラザ合意によって急激な円高に誘導させられたが、日本企業は海外に工場を移転することによって貿易摩擦を回避する方向に舵をきった。特に輸出産業の雄である自動車産業は、反発の多い米国や英国に自動車工場を建設し、地元雇用を促進した。 実際に米国で工場を建設してみて、地域の問題が日本の状況と違うことにすぐに気がついた。日本国内に工場を建設する場合は、その地域の政治家や名士と言われている人たちと交渉すればよかった。名士と言われているのは、封建時代の支配者層の末裔であったり、地域経済の成功者であったりする。 ところが民主主義国家であり新興国家である米国には、そうした地域ボスとの馴れ合い文化がない。地元企業は、常に地域に対して具体
「スーパークールビズ」について、私の周辺にいる同世代の男たちは、異口同音に反対の意を表明している。 「くだらねえ」 「ポロシャツとか、何の罰ゲームだよ」 意外だ。 就業経験の乏しい私には、どうしてポロシャツが罰ゲームなのか、そこのところの機微がよくわからない。 「どうしてダメなんだ?」 彼らは説明する。 「あり得ないんだよ。単純な話」 「ポロシャツで会社行くくらいなら、いっそフーテンの寅で行く方がまだマシだってことだよ」 「でも、お前だって普段着からネクタイってわけじゃないだろ?」 「だからさ。たとえば、お前がどこかの編集者と打ち合わせをするとして、パジャマで出てこいって言われたら、その通りにするか? しないだろ?」 「……話が違わないか?」 「いや、違わない。オフィスでポロシャツを着るってことは、自由業者の生活経験に換算すれば、パジャマでスターバックスに行くぐらいに、赤面なミッションだと
ハンガリー政府が選挙の投票方法に関し、未成年の子どもを持つ母親に対して追加的に1票を割り当てることを検討していることが話題になった。子どもにも1票を認める「ドメイン投票」と呼ばれるものだ。少子高齢化が深刻な日本にとっても、政府の役割を考え直す契機になりそうだが、ここでは、ドメイン投票よりも効果の大きい「若者の意思を反映しやすい選挙権制度」について考えてみたい。 数千万円の借金を負わせる「財政的幼児虐待」 電車のなかで赤ちゃんを抱えた人が目の前に立っていても、お腹の大きな妊婦が立っていても、席を譲る気配も見せない元気そうな高齢者を何度も見かけたことがある。私自身、ベビーカーを押してエレベーターを待っていて、健脚な高齢者に横入りされた経験は数えきれない。こうした状況よりもさらに深刻なのは、社会保障における世代間格差である。 現在の高齢者世代は、年金や医療保険を通じて政府から多くの給付を受けてい
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン セールスマンの報酬や賞与を業績にリンクさせるなど、成果主義的な「アメと鞭」の原理はビジネスの世界では日常的である。働く動機を与える為には当たり前と思われているが、最近、経済学の分野でその「常識」に対して相反する研究結果が出て話題になっている。後述するが実は「社員は必ず20%は業務外のことをしなければならない」というグーグルの20%ルールや成果主義の背後にも、これら経済学の最新の知見が生かされているのである。 まず、経済学のトップ学術誌で紹介された3つの実験結果を紹介しよう。発表された当時、大変話題になったものだ。 成功報酬が効く時、効かない時 実験1 自動車のフロントガラスを設置する作業で、時間当りの固定給を変更し、設置したガラス1枚当りの成
東日本大震災が発生してから、もう2週間近くが経とうとしている。アメリカに住む私も、多くの日本人と同じように、地震と津波、そして原発に至るまで、日本が直面しているこの危機的状況から目を離すことができなかった。 一報を聞いて、息を飲んでから一週間、寝ている時を除けば、ほぼインターネットの前に張り付いた。刻一刻と変わる被害状況を、各新聞や通信社のウェブサイトで確認して回りながら、NHKが震災のために特別配信していたリアルタイム放送をネットで流しっぱなしにした。 米国メディアに目を向けても、状況は同じだった。米国のニュース番組やサイトが、日本で起きた震災の報道で埋め尽くされた。日本の出来事が、これほど大きく扱われ続けたことが過去にあっただろうか。 その報道は、日米ともに地震と津波を伝えることから始まった。最初は地震のパワーやメカニズムの解説に始まって、時間を追うごとに被害の全容が明らかになり、変わ
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン Douglas MacMillan(Bloomberg Businessweekスタッフライター、サンフランシスコ) 米国時間2011年2月10日更新「 The iPhone as a Cash Register 」 パーク・パストア氏が経営する米加工肉販売会社ボカローンは、米サンフランシスコの裸レンガの商業施設「フェリービルディング」に出店している。同氏は昨年、この店以外にも販売網を広げたいと考え、週末、サンフランシスコ湾岸地域の農家直売所でサラミやソーセージの出張販売を始めた。だが、クレジットカードで購入する顧客への対応はひと苦労で、顧客のカード番号を携帯電話に手入力でしなければならなかった。 そこで同氏は2010年10月、米新興企業スク
冒頭のイラストは、年賀の挨拶を兼ねている。さよう、賀詞兼任コラム。二兎を追う形だ。 ご存知の方もあるだろうが、私は虚礼廃止の建前を貫徹すべく、この十年来、郵便局経由のリアルな年賀状を廃絶している。 そのくせ、生来の小心ゆえ、返事を書かずにいることに毎年心を痛めている。今年は「年賀状の返事を書かない件についてのお詫びのハガキ」を投函しようとさえ考えたほどだ。最後まで迷った。うむ、本末転倒。 ん? 不義理を気に病むぐらいなら、変な意地を張るのはやめたらどうだ、と? お言葉痛み入る。私は素直に年賀状を書くべきなのかもしれない。 でも、それができないのが偏屈者の宿命で、素直になったら今度はコラムが書けなくなる。ダブルバインド。因果な稼業だ。 イラストのもうひとつの意味は、お察しの通り、麻木スキャンダルだ。いさぎよくなき二兎なるウサギ。具体的に申せば、麻木久仁子さんと大桃美代子さんおよび山路徹氏(以
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