米大手PR会社エデルマンのトラストバロメーターという信頼度調査がある。2016年の調査で「経営者に求められる資質」を尋ねたところ、欧州では「正直である」がトップで53%だった。北米も同じで59%(共に複数回答)だった。 これに対して日本では「決断力がある」「有能である」などが上位になり、「正直である」は5位で26%にとどまる。日本企業は正直だといわれることがあるが、この調査をみるとそうでもないようだ。会社のためならちょっとくらい悪いことをしても大丈夫、というゆがんだ考え方が背景にあるのだろうか。関西電力のトップによる金品受領問題を見ると、そう感じずにはいられない。 菓子の下に金貨があり、それを受け取るのは通常あり得るやりとりだろうか。記者会見はまるで「裸の王様」をみているようだった。問題を指摘できる人物は社内に誰もいなかったのではないか。社会の常識に照らして妥当な行動なのかという判断力が問